小値賀町議会議事録アーカイブ

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2013.12.10平成25年小値賀町議会第4回定例会(第1日目)

小値賀町議会第4回定例会は、平成25年12月10日午前10時00分、

小値賀町役場議場に招集された。

 

 

 

1、出 席 議 員     10 名

 

 

               1番     近藤育雄

               2番     松屋治郎

               3番     宮﨑良保

               4番     末永一朗

               5番     土川重佳

               6番     小辻隆治郎

               7番     浦 英明

               8番     岩坪義光

               9番     伊藤忠

               10番     立石隆教

 

 

 

 

 

2、欠 席 議 員     な し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3、地方自治法第121条の規定により、説明のため、この会議に出席した

者は、次のとおりである。

 

 

         町長     西 浩三

副町長     谷 良一

          教育長     浦 幸一郎

          会計管理者     熊脇一也        総務課長     中川一也

住民課長     吉元勝信

福祉事務所理事     平湯貴浩

産業振興課長     西村久之

産業振興課理事     尾﨑孝三

建設課長     升 水 裕 司

診療所事務長     尾野英昭

教育次長     田川幸信

         農業委員会事務局長     蛭子晴市

 

 

 

 

4、本会議の事務局職員は、次のとおりである。

 

 

           議会事務局長     大田一夫

           議会事務局書記     岩坪百合

 

 

 

 

 

 5、議 事 日 程

 

   別紙のとおりである。

 

議  事  日  程

 

 

小値賀町議会第4回定例会

平成25年12月10日(火曜日)  午前10時00分  開 会

 

 

第 1  会議録署名議員指名( 末永一朗議員 ・ 土川重佳議員 )

 

第 2  会期決定

 

第 3  議員派遣報告

 

第 4  総務文教厚生常任委員会報告(所管事務調査)

 

第 5  産業建設常任委員会報告(所管事務調査)

 

第 6  藻場再生調査特別委員会中間報告

 

第 7  行政報告

 

第 8  一般質問

 

 

午前10時00分開会

議長(立石隆教) おはようございます。

 ただいまから平成25年小値賀町議会第4回定例会を開会します。

 これから、本日の会議を開きます。

 本日の議事日程はお手元に配付したとおりであります。

 諸般の報告及び監査委員からの例月現金出納検査結果の報告は、印刷してお手元にお配りしておきましたので、ご了承願います。

執行部の皆さんに申し上げます。

 本定例会においては、質問・質疑に対して、町長及び説明員の反問を許します。より的確な答弁のためにご活用いただきたいと思います。なお、行き過ぎた反問については、議長の判断で制止することがありますので、予めご了承願います。

 

日程第1、会議録署名議員の指名を行います。

 本日の会議録署名議員は、会議規則第125条の規定によって、4番・末永一朗議員、5番・土川重佳議員を指名します。

 

日程第2、会期決定の件を議題とします。

 お諮りします。

 本定例会の会期は、本日から12月12日までの3日間にしたいと思います。

 ご異議ありませんか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

議長(立石隆教) 異議なしと認めます。

 したがって、会期は本日から12月12日までの3日間に決定しました。

 

日程第3、議員派遣報告を行います。

議長(立石隆教) 10月10日、アルカス佐世保において全国過疎問題シンポジウムに議員全員が参加しました。内容についてはご存知のとおりですが、今回は特に長崎県で開催ということもあり、県内外から多くの関係者が参加され、九州各地の取り組みなどを中心に基調講演やパネルディスカッション等が実施されました。パネリストにアレックス・カー氏がいたこともあり、随所で小値賀の状況や活動が紹介されました。

11月18日には、長崎市のホテルニュー長崎で行われた長崎県町村議会議長会主催の研修会に、議長と副議長が参加しました。石塚副知事の県政の重要課題についてと、藤田紘一郎先生の議員の健康管理術についての講演がありました。

11月19日には本町の懸案事項を国に訴えるべく、議員派遣をいたしました。町長とともに議員全員が国会へ参りました。本県選出の国会議員への挨拶後、衆議院議員会館にて燃油問題、磯焼け問題、後継者問題など国境離島漁業の振興に関する抜本的な政策について、離島航路環境の改善について、後期高齢者医療保険制度にかかる一律保険料について及び国境離島関係法案について、各関係省庁担当者に出席いただき、現状を訴え、且つ現況打開のための意見交換も行いました。

 以上で、議員派遣報告を終わります。

 

日程第4、総務文教厚生常任委員会報告を議題とします。

本件について委員長の報告を求めます。

総務文教厚生常任委員会、宮﨑良保委員長

総務文教厚生常任委員会委員長(宮﨑良保) おはようございます。

総務文教厚生常任委員会の事務所管の報告をいたします。

我々総務文教常任委員会は、5月1日より各常任委員会のメンバーが変わったことに伴い、第1回の委員会を5月16日に開催し、年間事業を立てて11月までに計11回の委員会を開催いたしました。主な内容は、野崎島環境保全について、介護環境の充実について、小中学校建設後の校舎の検証について、人口減少についてであります。

 第2回、第3回の委員会において各委員の問題の共有を図るため、所管事務の関係する施設の視察を行いました。

 野崎島環境保全についての報告をいたします。

 近年、野生のシカやイノシシの増加により、野崎島が大きく荒廃していることから、本委員会としては観光や環境保全の目的で調査に入りましたが、イノシシ等による被害が甚大となっていることから、本町の農業や漁業などの産業にも影響が心配され、産業建設常任委員会との連合審査を提案し、合同により野崎島の被害状況を調査いたしました。今後も世界遺産登録に向け恥ずかしくない環境の保全をするため調査をし、対策を講じる方法の調査を続けてまいります。

 介護環境充実について、報告をいたします。

 近年、急速に増加している独居老人の対策として社会福祉法人養護老人ホームの値賀の里の理事長に参加をしていただき、待機者の現状状況や今後の課題等を調査いたしました。今後も、安心し生きがいのある老人福祉のあり方について、引き続き調査をしてまいります。

 小値賀小中学校の完成後の校舎について、調査報告をいたします。

 本年4月に開校となった小値賀町立小値賀小中学校について、視察を行いました。長雨により小学校グラウンドに深さ15cm程度の轍が発生、子どもたちが安心してグラウンドの活動に支障が発生していることから、行政への補修の提言を行いました。また校舎においても、壁のひび割れやプール周りの補修等について、今後の計画などについて調査を行いました。今後も安心した子どもの育成や勉学環境の充実を図るため、調査を継続してまいります。

 人口減少問題について、調査報告をいたします。

 小値賀町のみでなく近隣の町村において究極の問題は、人口減少に対する対策だと思います。本町においては近年、年代別構成で若干ではありますが、UI

ターン者の増加に伴い若者の比率が高くなっております。しかし、そのことが人口減少に歯止めをかけるまでは至っておらず、今後の対策に貢献するための調査を開始しました。調査をするにあたり、本町と同程度の町村を調査する必要があると感じ、同時期に全員協議会において11月19日に東京への陳情活動を行うことが決定したことを利用し、普段行けない関東の町村において人口問題に取り組んでいる町村を視察研修ができないか、調査をいたしました。これにより、人口1,353名、平成21年度予算額38億2,407万円と、本町と似通った村である群馬県上野村へ視察研修を決定をいたしました。研修内容については、議員各位には先日の全員協議会において配付しました報告のとおりでありますので、詳細については省略いたします。ただ、きのこセンターのような雇用を生み出す産業の構築や、ケアの要らない施設の整備が行われており、介護保険料においても、保険の上昇分をキャッシュバックしているなど、本町の今後の課題にとって、とても参考になりました。今後の住みよい町づくりに住民一人ひとりの意識を高めて取り組むことが必要だと痛感しており、今後とも閉会中の審査を継続していただくよう、ご承認をいただきたいと思います。

 以上で、総務文教厚生常任委員会の報告といたします。

ありがとうございました。

議長(立石隆教) 以上で、報告を終わります。

 

日程第5、産業建設常任委員会報告を議題とします。

本件について委員長の報告を求めます。

産業建設常任委員会松屋治郎委員長

産業建設常任委員会委員長(松屋治郎) おはようございます。

産業建設常任委員会委員長報告を行います。

今年5月、今期の委員会構成が決まったことに伴い、本委員会の今後の活動についての方向付けを行うため、担当課長等から事業・事務などの説明を受けるとともに、所管の町有施設21箇所の視察を行いました。その後、会議を重ね、基幹産業である農・漁業の不振とそれによる人口減少の解決には、より幅広い観点からの産業振興策が不可欠だということで、次の4項目を主要課題として調査をすることにしました。

1点目は、新離島振興法を活用した新たな産業振興策の模索であります。

2点目は、活性化策としてのスキューバダイビングの導入。

3点目は、6次産業化の振興。

4点目は、活性化策による町有財産の利活用です。

これを中心に、月1回の割合で協議を進めています。

また、11月19日より東京の陳情活動の機会に合わせて、その前後を利用し委員会の視察調査を以下のように行いました。

11月18日、福岡、九州活魚センター、(株)ジャパンシーフーズ等を訪問。魚の加工とCASシステム及び流通、活魚販売全般についての視察調査であります。同、ビッグフィールドマネジメント(株)を訪ね、スキューバダイビングについての研修。20日、神奈川県長井新宿港、竜海丸を訪問。漁師による6次産業を視察。同、東京にて財団法人地域活性化センターを訪問。地域活性化の先進地事例の調査を行いました。21日、日本の台所とも言われている築地魚市場を視察。同、公益法人日本離島センターを訪問。国境離島の振興のあり方などについて研修を行いました。

このように、各訪問先で資料をいただきましたので、今後の活動に役立てたいと思っております。

また町内では、大雨被害、イノシシ被害等、総務・産建両委員会の合同での視察調査を行いました。

このような町内外での貴重な陳情・視察調査を生かし、小値賀町の活性化、人口増加に役立てたいと思っております。

以上で、産業建設常任委員会の報告といたします。

議長(立石隆教) 以上で、報告を終わります。

 

日程第6、藻場再生調査特別委員会中間報告を議題とします。

本件について委員長の報告を求めます。

藻場再生調査特別委員会、末永一朗委員長

藻場再生調査特別委員会委員長(末永一朗) おはようございます。

藻場再生調査特別委員会の中間報告をいたします。

 本委員会は、本町の藻場の再生を目指し、現状の把握及び再生を拒むメカニズムなどを調査・研究し、実証実験を実施するなど問題点や対策について協議、検討してまいりました。これまでの活動内容について、かいつまんで報告します。

 調査報告書の2頁の7をご覧ください。特別委員会設置以来、水産庁の「藻場資源消滅防止対策ガイドライン」などを中心に勉強会を10数回行いました。 

それから学事的に次のような基本的事項を確認しました。1つ、原因について地形変化以外では7割以上が特定されていない現状であること。2つには、藻場の阻害要因には、海水温の上昇、台風、浮泥、砂の移動などの「物理的環境要因」、栄養塩の減少、水質汚濁などの「化学的環境要因」、食害、固着生物との気質を巡る競合など「生物的環境要因」の3つがあること。その中でも、水温上昇と静穏化が重要なポイントであること。3つめには、藻場再生に取り組むための調査に始まり、関係者が協働して計画を立てて実施管理していく必要の手順についてであります。

 次に1頁をご覧ください。平成24年4月29日には、「森は海の恋人」理事長の畠山重篤氏を講師に招いての藻場再生講演会を実施し、同年5月8日には、町が取り組んでいるウニフェンスなどの小値賀島の周辺現場視察。10月3日には、島原市の取り組みや橘湾中央漁協の視察研修を行い、同月23日には、小値賀町漁民研修センターで県総合水産試験場水産庁西海区水産研究所の職員との意見交換会を実施。11月30日は、アマモ作製と設置を職員とともに実施しました。平成25年3月には、新年度予算も視野に入れて、町の事業計画や実施中の対策の効果などについて、担当部局と協議しました。また、同年7月25日には、日本藻類協会会長、東京海洋大学の藤田教授に来島いただき、小値賀の藻場の現状を調査してもらい、その内容を踏まえた藻場再生のための講義と意見交換会を開催いたしました。10月3日には再度来島され、小値賀の海水をサンプルとして採取して持ち帰り、研究機関で成分分析を行い、不足している成分など小値賀島沿岸の栄養塩の内容を報告していただきました。また、今月5日には、昨年に引き続きアマモシートの設置作業を行い、アマモの増殖を図るための取り組みを産業振興の担当と行いました。

以上が現在までの経過であります。勉強会での知識を生かすため、具体的な対策や選定や行動計画を立てて、漁業者など関係者と話し合いを進め、今後どのように取り組んでいけばいいのか、情報を結集してまいりたいと思います。 

さらに研修を重ね、小値賀町の水産振興のため藻場再生に取り組んでまいります。

以上で、藻場再生調査特別委員会の報告を終わります。

ありがとうございました。

議長(立石隆教) 以上で、報告を終わります。

 

日程第7、行政報告を行います。

町長から行政報告の申し出がありましたので、町長の発言を許します。

町長

町長(西 浩三) 皆さん、おはようございます。

本日、ここに、平成25年小値賀町議会第4回定例会を招集しましたところ、議員の皆様にはご健勝でご出席をいただき、誠にありがとうございます。

行政報告につきまして、詳細はお手元に事前にお配りしておりますが、前定例会9月議会以降、本定例会までの町政の重要事項について、ご報告させていただきますとともに、併せて当面する諸問題について、所信を申し述べたいと存じます。

 今年こそは、との決意で、関係者一同総力を挙げて取り組んでまいりました長崎教会群の世界遺産登録に関しましては、内閣は今年の推薦を見送り、「明治日本の産業革命遺産」をユネスコへ推薦することに決定をしております。誠に残念な結果になりましたが、長崎県民会議も立ち上げており、来年度推薦へ向け運動を継続することを関係市町の首長会議で決定をしております。小値賀町にとっては1年の猶予ができたと捉え、これから野崎島の環境整備を含め、アクセスの問題等の解決に努めてまいりたいと考えております。

 全国各地の「小値賀会」も10月の関東小値賀会を最後にすべての地区で盛大に開催されました。関東小値賀会では、津田祐作さんから前田幸俊さんへ会長さんが交代されております。今後とも各地小値賀会との絆を深めるために、連携を密にする施策を新年度より計画をしてまいります。

 一般質問にも出ておりますが、六次産業の立ち上げを検討しておりますが、とりあえず農産品の加工について、各種の補助事業の活用により落花生を中心とした商品開発を進めてきましたが、今年度は天候に恵まれず、やや計画どおりには進展しませんでしたが、担い手公社の手により、茹でピーや殻付きピーナツ、またアイスクリーム等の開発と販売促進に努めることができました。来年度に向け、加工場の整備を計画をしてまいります。

 11月には、議会の皆さんと一緒に東京で要望活動を実施いたしましたが、各省庁の担当者との間で意見の交換や小値賀町の実情を理解していただくことができ、大変有意義な活動となったのではないかと思っております。これをご縁に関係者との結びつきを大事にしたいと考えておりますが、今回の企画に絶大なご協力・ご支援をいただきました北村誠吾東京事務所に心よりお礼を申し上げたいと思っております。

 これより各課の報告に入らせていただきますが、総務課関係では、伊豆大島の大雨災害は記憶に新しいところですが、数十年に一度あるような災害発生が懸念されるような時に、気象庁が「特別警報」を出すことになりましたが、離島ということもあり、小値賀町長崎地方気象台長との間でホットラインが設置をされております。

小値賀町においても台風災害が心配されますが、今年は発生が多く船の欠航等で、修学旅行の中止など大きな影響が出ております。一番接近した台風24号の際は、離島開発総合センターに25世帯26名の方が避難されましたが、台風の速度が速く、被害はそれほど大きくなかったのですが、ただ、潮風による塩害で長時間の停電が発生し、町民の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしました。今後このようなことも想定した対策等につきまして、九州電力と協議を行ってまいりたいと考えております。

福岡とのチャーター便の運航ですが、まあまあの利用状況で、小値賀町としましては期間の延長を希望したのですが、使用している5人乗りの飛行機が機体が老朽化し、部品供給もままならない状況になりまして、年末年始で打ち切るという佐賀航空さんの方針で、代替機の購入の目途がつくまでには相当時間がかかるようでございます。

また、久しぶりに特別職報酬等審議会を開催し、その答申内容につきましてはすでにご報告いたしましたが、答申を受け、各種委員の報酬及び消防団員の訓練報酬につきましては、来年度より見直しをする方向で事務を進めてまいります。

アイランダー2013が11月に東京で開催されておりますが、今年も小値賀応援団の方々にも協力をいただき、小値賀町ブースは盛況で、離島の中では元気な町としての評価が固まりつつあります。更にまちづくりを進め、名実ともに評価を確実にしていきたいと考えております。

住民課関係では、税務関係で平成26年1月から、個人事業や不動産貸付等を行うすべての方に記帳と帳簿書類の保存が義務化されることに伴いまして、税務署と連携して2回目の説明会を実施しております。平成27年度の申告の際には記帳記録が必要となりますので、今後も周知の徹底を図ってまいります。

福祉関係では、3年に一度の民生委員・児童委員の一斉改選があり、16名の方々に国及び県の委嘱状が伝達されております。住民と役場の福祉行政の橋渡しとしての活躍が大いに期待されます。

保健関係では、インフルエンザ流行の時期となりましたが、インフルエンザ予防接種を例年同様に診療所に委託して実施し、現在のところ延べ1,448名の方が接種を完了されております。

産業振興課関係では、先月開催されました第29回ふるさと産業まつり&ふれあい広場につきましては、実行委員会のご尽力により盛会のうちに終了をしております。町内外から900人余りの来場者があり、各種イベントに町民の方々も多数参加され、大変楽しんでいただきました。

また、12月子牛せり市では、全国的な子牛不足などの影響で今までにない高値で取引され、前回より平均で8万4,000円の高値をつけております。中でも去勢牛では、83万8,000円という最高価格が付いております。これまでに増して増頭に取り組まれ、農業経営の安定と所得向上につながることを期待しております。

建設課関係では、9月定例会議会以降、建築2件、土木2件、生活環境班工事関係1件と委託業務2件の発注を行っております。 また、8月の豪雨による農林災害につきましては、11月6日に現地査定が実施され、ほぼ100%の査定率で認められましたので、9月補正で概算計上していた関係予算を全額、今回の補正予算に計上をしております。

教育委員会関係では、小中高一貫教育で例年実施しております「公開授業ウィークス」期間中に、8教科の公開研究授業を実施し、多くの保護者・一般町民の方々に学校に足を運んでいただいております。また、10月には本町出身で長崎県教育会の常務理事をされております、小田恒治先生を講師にお迎えし、「心の教育講演会」を開催、ご自分の後輩にあたる生徒に熱心に話しかけられ、生徒達も大いに影響を受けたようでございます。

 社会教育関係では、本町の重要文化的景観関係の担当をしております文化庁の市原調査官が、野崎島をはじめとする「重要文化的景観選定地域」を視察のため来島をしております。

 その他の事業としては、第47回町民体育レクレエーション大会、文化講演会等、様々な事業や生涯学習活動に取り組みました。また、毎週月曜日実施の「放課後こども教室・おぢか山学校」もいろいろと新しい企画を取り入れ、子ども達の居場所づくり、健全育成活動に努めております。

診療所関係では、11月に新たに生化学自動分析装置を設置いたしましたが、今までの装置に比べ検査できる項目も増え、患者の病状把握に役立つものと期待をされております。また、今後冬季になり、インフルエンザの流行が懸念されますが、発熱患者につきましては、院内感染防止のためにマスクの着用の徹底と、一般患者とは別室での診察を行います。診察室のプライバシー保護対策については、12月末までに診察室の入口をカーテンからスライド式のドアに改修する予定となっております。

議案関係つきましては、一般会計補正予算国民健康保険事業特別会計補正予算、2件の審議案件をご提案しております。

 慎重にご審議の上、適正なご決定を賜りますようお願いいたします。

なお、提案の理由につきましてはその都度ご説明いたしますが、詳細については担当から補足説明をさせますので、よろしくお願いをいたします。

以上で、行政報告を終わります。  

議長(立石隆教) これで行政報告を終わります。

 

日程第8、一般質問を行います。   

質問の通告がありましたので、順次発言を許します。

なお、関連質問は、ご遠慮願います。     6番・小辻隆治郎議員

6番(小辻隆治郎) 一般質問を行います。

私は2点、一般質問をします。

最初の質問について、沖の神島神社の修復と周辺施設の整備について、行います。

 沖の神島神社は古来から、小値賀の人々ばかりでなく、五島一円、遠くは平戸、それから天草、そういう人々の精神的な支柱のシンボルでありました。それの前に大陸との交易が盛んな頃は、沖の神島神社が目印としての役割も果たしていたということだそうです。神社には、数多くの主に中国やタイの陶器、鏡、仏具等が奉納されております。しかし、近年の時代変化とともに存在が次第に軽視され、とりわけ神官の不在が拍車をかけた結果、現地に行って参拝する習慣も廃れてしまいました。その結果、残された建物はこのままでは崩落しかねない状態に陥っております。もしそうでもなれば、取り返しのつかない禍根を残すことになると考えます。沖の神島神社は最近、世界遺産の関係で重要文化的景観の構成資産となっております。したがって、補助対象ともなっていると聞いております。これを機に、神社本体の修復と、参道・港湾施設の整備を計画したらどうか伺います。

 沖の神島神社の存在意義について、どう思うか伺います。

 2点目、もし質問どおりの計画を実行するとなれば、どんな障害が予想されるか伺います。

 3点目、ふるさと創生基金の対象とならないのか、または単独の基金の設置はできないのか伺います。

以上、3点についてお伺いします。

 再質問は、質問者席から行います。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 小辻議員の一般質問、沖の神島神社の改築と周辺施設の整備について、お答えいたします。

 今、議員ご案内のとおり、神島神社は西暦704年に野崎島小値賀島前方に分祀されたと伝わりまして、いにしえより小値賀島民にとどまらず、五島列島一円、平戸松浦家の信仰も集めた、由緒ある神社でございます。現存する本殿、拝殿はともに、昭和53年に改修をされております。

また、海岸部の参道入り口にある鳥居は、1680年に建立されたもので、肥前型鳥居と呼ばれ、貴重な文化財であることから、町の文化財に指定されています。

また、海岸にあります石積みの波止につきましても、1702年に小田鯨組により築造されたものでございます。

 このように、沖の神島神社本殿・拝殿自体は、改修、建て替えを繰り返しながらも、長きに渡りその場に鎮座し続けていることに歴史的意義が見出されるものであり、さらに、文化財として高い価値を有する海岸部石積み波止、肥前型鳥居、それから周辺の参道、原生林が残る社叢は、お社とともに小値賀の精神文化を象徴する貴重な資産であり、何らかの形の保存をしていくべきだと考えております。 

また、質問にあがっておりました資産は、小値賀諸島の文化的景観を構成する資産として登録をされておりますので、整備については、文化庁の補助事業の対象となる可能性がございます。

ただし、それには必要性及び修復・整備に関する計画を、明確かつ具体的に国へ対し示す必要がありますが、現在、小値賀町文化的景観整備活用計画の策定に着手したばかりの状態で、その完成時期も明らかにできない状況と聞いております。

 修復、整備事業が補助対象となった場合、問題点がまだございます。現在の補助制度では、対象の資産に関する所有権の問題で、自治体所有でない場合は、補助金額を除く費用を、所有者に負担してもらう必要があります。これが可能かどうかも検討する必要がございますし、できたとしても、分担金条例等の設置等の検討も必要になってまいります。

 今後、文化財として保存の必要性は十分あると思いますので、例えば野首教会のように寄付をしていただけるのか、宗教法人としての問題はないのか、多岐にわたる問題がございますので、町議会をはじめ、町民の皆さんの意向も調査し、国や町の審議会委員さんのご意見も伺う等、関係者のご協力を得まして、関係費用の積算等、慎重に検討をしていきたいと考えます。

 もう1点、ふるさと創生資金に関するご質問にお答えをいたします。

ふるさと創生資金は、平成元年、当時の竹下内閣の時に「自ら考え自ら行う地域づくり事業」ということで、普通交付税に上乗せして1億円が交付されたものでございますが、小値賀町においては、産業の活性化、観光の開発振興、人材の育成を3つの柱に主にソフト事業を展開しておりまして、現在までにほぼ使ってしまっております。

その後、平成2年度から3年度にかけても地域づくり推進事業等の名目で、普通交付税に織り込まれ交付された分がありまして、振興基金とまちづくり担い手育成基金として積立て、毎年度必要に応じ、取り崩して執行しているのが現状でございます。

しかしながら、担い手育成基金の使途は、基金条例1条に規定する目的ということになりますので、この修復事業は、この担い手育成基金を使う事業対象にはあてはまらないというのが、執行部としての判断でございます。

 もし必要であれば、振興基金の取り崩しが適当ではないかと判断をしております。

また、単独の基金は設置が可能かというご質問ですが、従来型の基金は、元金はそのままで、その利子、つまり果実で運営していくものでしたが、現在はこの低金利時代で、頭から元金を取り崩す必要が出てきていることからも、今以上の特定目的の基金を増やすことはいかがかと考えております。

ただし、目的をもっての単独基金創設は、技術的には可能だとの判断でございます。これからの詳細な質問については、担当からお答えをさせますので、よろしくお願いをいたします。

議長(立石隆教) 小辻議員

6番(小辻隆治郎) ご存知のように、この前、歴史民俗資料館へ行ったところ、18回ぐらい改築をしたというような記憶がございました。いずれもですね、平戸藩主が棟札という形で改築の証拠というか、そういうものを記していたと思います。ところで昭和53年にも改築したということなんですけれども、ちょっと質問ですけども、町長は沖の神島神社…。私は3年前と10年前行ったんですけども、町長は行ったことございますか?沖の神島神社。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) ちょっと記憶にないほど行ったことはございません。

議長(立石隆教) 小辻議員

6番(小辻隆治郎) ともかく文化財として、重要文化的景観の構成要素としての重要性が高まっておりますので、是非とも1回見て、視察にでも行ってほしいとは思います。

ところでですね、今、町長は保存していくべきというようなお答えでした。そうすると何をどう保存するかという問題になりますけども、まず家屋の問題が真っ先に出てくるのかなと思います。町長はまだ行ったことがないという話なんですけども、3年前行った時ですね、どういう状況になっていたかというと、雨戸が破れて、もう隙間雨が降り注ぐ、そして風は吹きまわる、室内にですね。それで梁のほうはシロアリが喰ってる状況です。そして本堂の階段、ちょっと手前と、お参りするところと、また上のほうの本堂がありますけれども、その階段も危なっかしくて行けないと、天井も腐ってると、そういう状況です。そして前おった神主さんのですね、控え室も根太がもう腐って崩落してると。そして、これは家屋なんですけれども、その前にある石垣もですね、少し途中が膨れ上がって今にも崩壊しそうだというような状況です。こういう状況の中で、今、重要文化的資産になったというばかりで、ともかく前に進んでいないというお答えでしたけども、しかし今後、世界遺産という形になれば、ある程度の調査は必要ではないかというふうに、私は考えるんです。その調査もしないでですね、そのままほったらかしてまた1年、2年ほったらかすというのもいかがなものかと思いますけども、その点についてはどう思いますか。

議長(立石隆教) 教育次長

教育次長(田川幸信) お答えいたします。

先ほど町長の答弁にもありましたけども、現在、小値賀町文化的景観整備活用計画の策定に着手をいたしておりまして、今年度と来年度26年度までにできればなという目標でやっておりますけども、その中で野崎島全体が重要文化的景観の選定区域に、全域が入っております。その中の構成資産として、議員ご指摘の神島神社参道、また船着場等が重要資産として挙げられております。それを、先ほど言いました整備活用計画の中にどのような位置づけで、また方向性、修復・整備方針を、その中で盛り込むことが重要であると考えております。 

以上です。

議長(立石隆教) 小辻議員

6番(小辻隆治郎) 計画ということもなんですが、もう少し速度を速めないと建物自体が失われていくというような形なんです。ですから私の考えとしてはですね、ある程度、どのくらいかかるのか見積もりもするべきじゃないかというふうに思っております。今言ったような状況で、シロアリには喰われるわ、雨戸は破れとるわで、これこそ大きな、まともな台風が来れば崩壊してしまうと。野崎の神社は見たことがございますか、町長。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 先ほども申し上げましたけど、見たことはあるんですけど、いつ行ったかはちょっと記憶にないぐらいの話でございます。

議長(立石隆教) 小辻議員

6番(小辻隆治郎) 今のは、沖の神島神社の話ではございません。野崎の港の先の神社なんです。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 今のは、宮司さんの宿舎のことを言ってるんですかね?それは見たことあります。

議長(立石隆教) 小辻議員

6番(小辻隆治郎) 惨憺たる有様でですね、野崎の神社ももう崩落して、非常に見る者の、見る者が見れば心が痛まれるというような有様です。もしそういうことがですね、沖の神島神社に再現になった場合、これこそもう取り返しのつかないというような形になってくるのかなというふうには考えます。

ところで、町長の答えの中に宗教法人との関係というのがありましたけども、これについては少し詳しくご説明をお願いします。もともと私の質問は政教分離で、これには沖の神島神社には修復費が、なかなか町も手が出せなかったというような経緯も今までございました。ところがこれが文化財として認められれば、町としても手出しができるのかな、というような考えを持ってますので、その辺の説明をよろしくお願いします。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 確かにおっしゃるように、補助ができるようになってますけども、先ほど申し上げたのは、どうしても一部負担金、当然全額補助をするということにはなりませんので、宗教法人としてその負担をしていただけるのかっちゅうのはまあ、氏子さんたちがその金額を出していただけるのかという話に、最終的にはなると。そういうことでございます。野首の天主堂あたりは町の所有でございますので、当然できたわけですけども。そして今の仕組み的にもですね、公的機関が所有してるものについては意外と簡単にできるわけですけども、修復も。ただ、一部個人の所有といいますか、宗教法人の所有になってるところには、どうしても負担金が生じてきます。それをどうするかの解決をしなければ先に進まないということを申し上げてるんで、町のそれ相応の負担は当然して、改修をしていく必要があると。そのようには考えております。

議長(立石隆教) 小辻議員

6番(小辻隆治郎) 分かりました。町も負担するけども、その所有者にも相応の負担がいるということですね。それで、先ほど私が、ふるさと創生基金は私もちょっと勘違いしておりまして、ふるさと納税のほうでしたんで、ちょっと失礼しました。むしろ単独のですね、基金は技術的に可能ということなんですけども、小値賀全体が、小値賀におる限りはもう、昔から沖の神島神社の氏子という形になっとるそうです。そういう意味ではですね、寄付する人も結構出てくるんじゃないかというふうに考えますけども、町長はどうお考えですか。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 今議員が言われたのが、一番問題でありまして、町が宗教法人と一緒になってやるというのは、政経分離の原則もございますんで、それで、氏子さんたちでやっていただくというのが、奉賛会を作るなりですね、そういう形でやっていただければいいのかなと思っておりますけれども、町としては先ほどお答えしたとおりでございます。

議長(立石隆教) 小辻議員

6番(小辻隆治郎) 私もちょっとその辺は良く分からないので、ちょっと質問しようがないんですけども、一応、文化財としてのあれがあるとすれば、基金を設けてもいいのかなというような、少しそういうような気持ちがありましたんで、今の質問になったわけです。まあそれはよしとして。

最後にですね、旧野首教会が、津田元町長があれを修復なさいました。おそらく平成元年くらいだったというふうに思います。しかしそれは、今から考えれば非常な英断であったというふうに考えます。今回の世界遺産旧野首教会が構成資産のメインというふうになっております。もしあのまま旧野首教会を崩落に任せとったら、まず世界遺産の、そういう小値賀町の目玉ではなくなるところでした。そういうふうに首長あたりが率先して、そういう建物を保存していくということにおいてはですね、津田元町長のご英断には敬意を表したいと思います。さらに、この沖の神島神社がいつ崩落するか知れないというような状況の中で、せめて、せめてですよ、一般助成金でも使ってでも、一般財源を使ってでもですね、調査をすべきじゃないかというふうに私は考えますけども、町長はどうお考えですか。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 当然、調査はですね、おっしゃるとおり一般財源でできるかと思いますけども、いずれにしてもかなりの金額になりますので、まずは国庫補助が受けれるような態勢を作る必要があります。そうしないと町単ではとてもじゃないけどできませんし、また単独でやるのには根拠が少し足りないのではないかと思います。先ほど野首の話が出ましたけど、野首の場合はもう信者さんがいない、空の状態の教会でしたんで、ああいうことができたんじゃないかと。だから宗教法人としても、信者さんがいないからどうぞということで寄付をしていただいたんだと思いますし。今度の場合はさっきからお話しのように氏子さんという歴然とした存在がありまして、宗教法人もちゃんと存続しておりますので、そこはやっぱり区別してやるべきかなと思いますんで、町のほうで基金を作るんではなくて、もしやるのであれば宗教法人のほうでそういう寄付を集めるような組織を作っていただければ、私個人としては当然応援させていただきますが、首長としては、今言うた関係で、ちょっとかなり、町の国庫補助に見合う負担金については当然、文化的景観の重要資産でもありますんで、そこは応援は当然できると思いますけども、今言ったように檀家さんといいますか、氏子さんがおらしてやるのに100%町費を使ってやるというのはいかがかなというのが私の見解でございます。お分かりいただけましたでしょうか。

議長(立石隆教) 小辻議員

6番(小辻隆治郎) はい、分かりました。一応宗教法人で。町としてはなかなか、基金はしにくいということでした。しかし私の今の質問はですね、別に今すぐ工事をしろという話ではなくて、せめて家屋の調査とかあるいは参道の調査とか、石積みの調査を町としてはできないのかなという質問です。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 最初にお答えしたかと思うんですけども、その調査については一財を使ってもいいのかなと思ってます、ということでお答えをしたつもりです。補足を。

議長(立石隆教) 教育次長

教育次長(田川幸信) お答えいたします。

教育委員会のほうでは、世界遺産重要文化的景観に絡みまして、重要文化的景観調査委員会というのを設立して、調査、検討や答申をいただいております。遠くは東北大学九州大学長崎大学、また県立大学等の教授クラスが委員になっております。その中で福岡の修復技術というところからも2名の委員さんがおられまして、その中に文化財の修復を専門とされておられる方も2名おられます。その方も委員に入っておられまして、実際、うちの学芸員とともに野崎の神島神社にも数回足を運んでいただいて、今の破損状況、今の現状の報告もいただいておるところです。小辻議員が最初に述べられました18枚の棟札というのも、その際にその修復技術の方が見つけられて、今歴史民俗資料館のほうへ運んで保管をしている状況です。全く調査をしていないという状況ではありません。世界遺産の構成資産としての状況は報告が来ている状況です。

議長(立石隆教) 小辻議員

6番(小辻隆治郎) 調査してないと言うたわけではないんですけども、まあ答えはいいです。崩落の危機にあるからどう対処するのかというのが、私のこの質問の趣旨です。その辺は重々考えた上でできるだけ早急にですね、考えるようにしとってください。

2問目に移ります。                

議長(立石隆教) ご登壇ください。

6番(小辻隆治郎) 磯焼けの原因について質問します。

平成23年度に、小値賀町で最も喫緊の課題である磯焼け問題に対処するために、議会は藻場委員会を立ち上げました。おぢか議会だより第85号に記すように、具体的活動を数々実施してきたところであります。これは町民の啓発活動にもつながり、議会と小発動組合との話し合いの中でも、今何をしてほしいか要望を問うたところ、磯焼け問題との答えが圧倒的でした。

 何故、昔みたいに海藻が生えなくなったのか、はっきりした原因は不明ですけども、現在の対策として水産庁長崎県水産試験場は、ガンガゼ、食植生魚類の駆除ないし防止を主眼にしてきました。しかし今回、東京海洋大の先生が小値賀島の海水を採取して分析してもらった結果は意外なものでした。海水中の栄養塩が欠乏しきっているとのことでした。栄養塩とは窒素、リン、ケイ素のことを指しますが、リンにいたっては痕跡程度との評価でありました。従来、栄養塩は海中に存在することを前提として進めてきた経緯があるので、もし栄養塩がないとしたら、いくら母藻があっても成功しない、そういう結果になるのかなというふうに考えます。

 そこで伺います。

 1点目、小値賀島周辺の海水を今一度分析したらどうか伺います。

 2点目、もし仮に栄養塩不足だとしたら、その対策はどうするのか、お伺いします。

再質問は、質問者席から行います。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 磯焼けの原因についての件についてお答えいたします。

この件につきましては、10月に来町されました東京海洋大学大学院の藤田准教授が、海水を採取し分析した結果に基づいてのご質問だと思います。内容につきましては、議員のほうからご説明がありましたんで省かせていただきますが、水産担当者によりますと、藤田先生のコメントでございますけども、今回は、1回限りなので結論めいたことは言えないが、もしこの様な海水の採取が毎月あるいは隔月でできるようであれば、しばらく続けてみるのも良いかもしれないし、さらに、もしも毎年周年こんな状況であれば、肥料を施肥する価値はあると思うが、海藻を食べる植食動物も同時に除去しなければ効果は望めないし、大量かつ持続投与も必要である、との発言だったと聞いております。

そこで第1点目のご質問ですが、この調査結果を鵜呑みにすることはできませんが、1月に1回程度、周年を通して、本町の周辺において海水の調査分析をすることは必要だと思います。今回は7ヶ所ということでございましたが、本格的に調査を実施するとすれば、島の周辺だけでなく、潮流の本体部分等までも観測地点を拡大することも、必要ではないかと考えております。

 次に第2点目のご質問の、仮に栄養塩等不足の結果が出た場合の対策についてのお尋ねですが、小辻議員も御承知のとおり、海は潮の満ち干及び潮流が絶え間なく続いており、しかも元の水ではありません。その時その時の状況で、その状況は大きく変化するものだと考えられます。

東京海洋大学の藤田先生のコメントも踏まえまして、執行部としては、肥料分の大量かつ持続投与が必要となれば、毎年毎年、多額の経費がかかることは勿論ですが、その効果はまだ確定されてもいないので、実施するについては慎重な検討、対応が必要だと考えます。

今後は、国や県の研究機関の支援を受け、規模を拡大した藻場再生事業を計画する必要があり、また、今年度からは長崎県のモデル地区の選定を受けまして、事業が実施されておりますので、その結果も踏まえながら、また議員のご提案も考慮しながら、今後の対策に繋げてまいりたいと考えております。

以上でございます。

議長(立石隆教) 小辻議員

6番(小辻隆治郎) これは、もともと栄養塩があることを前提にですね、今までずっと藻場委員会も活動をしてきました。それで、行政の担当者としてもそういう方向で長崎県水産試験場とかの意見を聞きながら、ガンガゼの駆除とか、そういう食植生の魚類からの防止とか、そういうような対策をたててきたわけなんですけども、まさか栄養が足らなかったというような結果になるとはですね、この海洋大の先生も思わなかったのかというふうに思います。海洋大の先生のコメントの中にも、ひとつ論文の対象ではないかというふうな意見もございます。

1点目のですね、私が何箇所も調査しろっちゅうて、いろんな場所を。もうひとつですね、町長も言ったように、どうもそれでは少し前提としては弱いのかなというふうに思います。ですから何箇所も、そして春夏秋冬、1ヶ月に1回なら春夏秋冬になるんでしょうけど、そういう形でしばらく様子を見てですね、これは確かに栄養塩不足だというしっかりした証拠ができれば、そういう対策が要るのかというふうに思います。

我々藻場委員会でこの前ビデオを見ましてですね、施肥について、昔は唐見崎とか柳では肥料をそのまま、窒素とかリンの肥料を撒いとったそうです。ヒジキとか採る前にですね。その効果かどうか分からないという話なんですけども、よく伸びてたという話です。そこにヒントを得ましてですね、この前、藻場委員会でビデオをちょっと拝見しました。その中に、北海道のある自治体では、肥料を粉末じゃなくて固形で、ある程度時間が経ってどんどん溶けるような形で肥料を置くというか、沈下させるというか、そういう形に持っていっとるそうです。そういうことも含めた研究をですよ、むしろしていかんば。県の言うことを待って、あるいは国の言うことを聞いとって、という話になるとね、どんどん対策が遅れてしまう。町長は日頃、第1次産業は一番大事なんだということをおっしゃっております。そういう意味ではですね、この海藻問題というのは、一挙に小値賀の水産の解決の糸口になるかもしれない。そういうことに対して、国の返事とか何とかっていうことは、私には理解できない。もっと一般財源を使って実験的に試みたらどうですか。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) おっしゃることはよく分かります。そういうことで、全く何もしないということではございません。当然、ただですね、比較調査はどうしても必要になると思います。これ今、一般財源でとおっしゃいましたけども、これをもし栄養塩が少ないんだということで、海の中に栄養を増やしていくということについてはかなりの費用になるということを考えますと、やっぱりそれなりの実証がないと単独でやっていけるものではございません。そういうことで、まずは場所を増やして、回数を増やして栄養塩の調査をすること。それからよその地域がどうなってるのか、日本全国そうなのか、違うのか、磯焼けについては全国ほとんど共通の課題になっております。そういうことで、我々も水産庁にかなり強硬に言ってるわけですけども、まだまだ原因が分からないんですよね、ということで終わってますんで、小値賀町をモデル地区に指定をしていただいておりますんで、今は県のモデル事業ですけど将来には国のほうでやっていただきたいということは、水産庁にも県のほうにも話をしておりますんで、とりあえず今言われたような調査については、これから検討させていただきます。それで今、もう担当課のほうでは準備をしてると思いますんで、今やってる県のモデル事業と併せてやらないと効果がないと思いますんで、その点は、おっしゃるように第1次産業がなくなれば小値賀町は大変でございます。そういうことで、この磯焼け問題は充分考えながらやってるつもりでございます。こういうひとつの仮説みたいなのが出てきましたので、それについて検証もさせていただきたいと、そのように考えております。

議長(立石隆教) 小辻議員

6番(小辻隆治郎) もとより小値賀町水産業が衰退していくのは、一端はこの磯焼けの問題かな、これもひとつの大きな要素だなというふうに思います。何が一番優先するべきかという問題は常々、首長として、やっぱり考えとかんばやろうなと思うんです。一般財源を使って、とてつもない金が要るというような発想ではですね、なかなか前に進まないんじゃないかと思います。むしろ試験的な場所を決めて、そこで一度、そういう形の施肥をして、というふうな方法もまず考えられるんじゃないかと思います。小値賀の人口問題とか何とかいろいろありますけども、磯焼けがなおれば、おそらく人口も増えてくるやろう、というふうな推定を私もしております。そして大量持続投与、これについてはですね、確かに町長の言うように、国とか県の支援も必要と思います。ただですよ、どのくらいの金額が、見積もりもしてないうちに諦めて、たいそう金のかかりそうだからとかいうようなことではなくて、1回そういう場所を区切ってですよ、そこで見積もりをとって、どういう形がいいのかなというような形で、いろいろ研究して、そこで見積もりとって、それをやるのが、私は筋ではないかと思います。どうでしょうか。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) おっしゃることは分かるわけです。だから調査をしようということでございまして、結果を踏まえてですね、実験も当然やりますし、今、特別委員会でいろいろな実験もやられております。その効果はやっぱり、成果が出るのには時間もかかります。だから、今、アマモでもなかなか単年度でうまくいくというのは難しいんだろうと。事前にやったことがありますんでそういうことを言うわけですけども。だからこの栄養塩がなくなった原因が、小値賀だけなくなってるのか、よそもなくなってるのか。そこもやっぱり、ちゃんとしっかり把握しなければいけない問題じゃないかなと思います。だから今、いろいろ調査研究やってる中で、網で囲った部分については海草は生えております。これが、今の塩分との関係っちゅうのも、やっぱり一緒になって研究をしていかなければいかないんじゃないかなという気もしておりますんで。やらないということではありませんので、先ほど言いましたように、調査をすぐ始めたいと、そのように考えております。

議長(立石隆教) 小辻議員

6番(小辻隆治郎) 分かりました。町長が当選しての時だったと思います。私が磯焼けについて、フルボ酸鉄の一般質問をしました。それ以来ですね、藻場委員会が議会の中に設置されました。その中でいろんな講師を呼んだり、我々も勉強してきました。その中でですね、この栄養塩の問題も、我々もちょっとそれに気づいたなっていうことがあります。延々今までずっと、藻場の再生については行政のほうもやってきたとは思いますけども、もう少し具体的にですね、やはりもう一番大事なことですから、一般財源をいくら使ってもいいというような、そういう気持ちで今後も対処してほしいと思います。

以上ですが、これで私の一般質問を終わります。 

議長(立石隆教) これで小辻議員の一般質問を終わります。

続いて、2番・松屋治郎議員

2番(松屋治郎) 私は、小値賀町の地理的・自然的特性を活かした活性化策について伺います。

 人口減少や高齢化の進行とともに、基幹産業である農水産業の不振等、本町を取り巻く状況は依然として厳しいものがあります。この状況の打開策を探るため、町議会は、省庁との意見交換や先進地視察を行ってまいりました。地域活性化センター日本離島センターを訪れた際、小値賀の知名度は確実に上がっていることを知り、この風をうまく利用しなければならないと感じました。地元にあるものを活かし、できる仕事もあるとヒントも得てまいりました。

 そこで考えてみると、小値賀には活かしきれていないもの、さらに活かすべきものが多いと気づきます。それは地理的・自然的特性であります。国の重要文化的景観の選定を受けている小値賀町は、県内でも特異な歴史と文化を有し、17の変化に富んだ島々と美しい海を持つ、自然的特性を持った国境の島であります。

 そこで、次の2点について町長の考えを伺います。

 まずは、景観・史跡の活用についてですが、第69回国民体育大会長崎がんばらんば国体時、小値賀町では歴史探訪ウォーキングが行われることになっております。県内町内より80名の参加者が予定されているとのことです。小値賀町は美しい自然環境と海洋資源に恵まれるだけでなく、都市生活にない歴史と文化に触れ合うことのできる癒しの空間が広がっております。この機会を利用して、観光産業の更なる振興を図るべきだと考えております。そのため、歴史探訪ウォーキングに備え、地域の整備はもちろん、トイレ、ベンチ、案内板、標識、ルートの新設整備を行い、大会終了後は観光資源として活用し、また、この大会の目的である町民の健康推進にも活用したらどうかと思っております。

 町長の考えを伺います。

 次は、美しく変化に富んだ海洋を活かした活性化策についてです。

 小値賀でのスキューバダイビングの可能性についての調査を行うため、産業建設委員会として福岡のビッグフィールドマネジメントを訪れ、社長ほかインストラクター等、専門家の意見を得るため、持参した小値賀町の観光パンフレットを見ていただき、また太古丸が夜出航、早朝小値賀着であることを話した折、先方は、潮流・ダイビングスポット等を調査しないとはっきりとは言えないが、小値賀は地理的にも環境的にも大変良いところだと思うとのことで、年明けにでも調査を行ってみたいとのことでありました。

 九州北部のダイバーは現在、沖縄やら鹿児島まで行くことが多いとのことを考えると、比較的近い小値賀は、金曜夜出発、土日2日間ダイビングができること、船の移動が楽で安いことなど、日程や交通の面で便利で有利であるとのことであります。また、我々が危惧していた漁業団体やら漁民等との関係についてですが、ダイバーはゴルファーと同様、裕福な人が多く、認定書制度等により厳しいマナーが守られております。密漁などする人はいないし、また漁場環境の保全等に協力的であるとのことでした。

 スキューバダイビング普及状況としては、国内に10の認定組織があり、レジャーダイビング普及協議会の関係で男性約8万人、女性約6万5,000人、インストラクターは男性が約1万人、女性が約3,000人だそうです。ダイバーが1回潜水するのに酸素ボンベ2本分として、費用は1人当たり、酸素代、ボート代、インストラクター代を含めて1万5,000円前後で、一般的にダイバーが必要とするものは、船、インストラクター、酸素ボンベ及び充填設備、温水シャワーや休憩所等の施設、マッサージ、エステ、宿泊、飲食、土産品等であり、様々な需要があるようです。産業としての裾野も広いので、雇用の場も生まれるでしょうし、富裕層の来島者の増加が見込めます。また、スキューバを目的とした移住・定住の可能性もあるそうです。島の活性化、ひいては人口増加の期待もできると思いますが、町長の考えを伺います。

再質問があれば質問者席にて行います。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 松屋議員の小値賀の地理的・自然的特性を活かした活性化策ということについてのご質問にお答えします。

1番目と2番目の質問、関連をしておりますので、まとめて答弁をさせていただきます。

 本町の海岸線は岬があり、入り江があり、変化に富んだ海と松の緑のコントラストは、他の離島ではあまり類を見ない地形であり、島外からのお客様からは、感激の声を耳にしております。

また、島の恵まれた地形で培われてきた太古からの歴史景観は、小値賀町のかけがえのない貴重な資源だと、松屋議員と同じく私も認識し、何とか利用していかなければいけないと、そのように考えております。

本町には、いにしえより海を介したヒト・モノの流通往来により形成された独特の景観が、色濃く残されておりまして、その文化的な価値が国に認められ、先ほどから話に出ております重要文化的景観「小値賀諸島の文化的景観」として、国の選定も受けております。

現在、本町の観光客は、関係者の努力によりまして徐々に増加していますが、決して美しい自然景観だけではなく、私たちが営む日常の姿が作りだした景観、つまりは文化的景観が一つの大きな魅力になっていると思われます。

 昔から小値賀に住んでいる者にはなかなか見えない、そういった町の魅力をどうやって体系的に整理し、整備活用するか、いろいろな方のご意見をお伺いしながら、施策を講じていこうとしているところでございます。

ご案内のように、離島であるが故のハンディもとても大きい訳ですので、航路問題等その解消に私としても力を入れておりますが、しかしながら、無いものばかりを求めるのではなく、地域に眠る資源に目を向ける必要があることは、議員とも共通の認識を持っております。

 最近、体験型の旅行が注目されておりますが、小値賀に訪れる多くの人たちは、都会では味わうことができない非日常の体験を望んでいるものと考えられます。例えば食事の折など、その場所を海辺のロケーションで行なったり、磯場での遊び方、海からの島めぐり等、地元の住民がサポートしなければできない体験メニューにより、新たなビジネスが創出できるのではないかと考えております。そういうことで、具体的な事例を挙げれば、次のような事業を展開をしております。

文化的景観の価値を町内外問わず、多くの方々に知っていただくための取り組みを実施しております。平成24年度に普及啓発パンフレットを、25年度には普及啓発散策マップを作成し、町内各世帯に配布しましたし、さらに全国の博物館関係者に送付をしております。

日常の景観の中に、文化的な価値、また魅力を見出すという、これまでにない新たな文化財ではありますが、徐々に浸透し、町外から問い合わせ等も増加傾向にあると聞いております。

一方で、町内には多くの史跡が存在しますが、本格的な整備が行われておらず、年3回程度の立木の伐採や草払いで、維持管理を実施しているのが現状でございます。本町が持つ歴史的価値を伝えるために、必要な範囲での整備、以前、近藤議員からもご提案があったかと思いますが、例えば解説板の設置や見学道の設置など、今後、早急に検討すべき事項であると認識をいたしまして、現在、計画を策定中で、各関係者との協議が済めば、来年度から着手できると考えております。

その他、観光関係予算では、21世紀まちづくり事業に取組んでおります。新しい観光プログラムの開発をIT協会へ委託しておりまして、地域の高齢者等から、地元のいろいろなエピソードを聞き取ったり、集落等まち歩きで観光客との対話ができないか等の研究を実施することにしております。

また、地域雇用創造事業では、まち歩きのためのガイドの育成研修講座を開設し、マンパワーの育成に努めております。

「日本で最も美しい村連合」に加入しておりまして、美しく変化に富んだ海洋を活かした活性化策としては、小型の船外機からの短時間の海からの島めぐり等の可能性についても25年度取組みましたが、今後IT協会とも協議しながら、事業の可能性を探っていきたいと考えております。

その他にも、漁協に水揚げされた魚を購入し、自分で捌いて自宅に送る体験をプログラムに入れるとか、スキューバダイビングとか、いろいろなアイデアがあるかと思います。ニーズ調査と合せて、漁協などの関係機関とも協議を重ねて、効果のあるものから取組んでまいりたいと考えております。

以上が、質問通告書に対し、準備をさせていただいた答弁ですけども、具体的なご提案がありましたので、お答えをいたします。

国体に向けての整備ということでございますが、国体に合わせて整備をしようという考えが全く無かった訳ではないんですけども、とにかくできるものからやろうということで考えておりまして、標識等の新設につきましても、できるだけ国体に間に合うようにと担当には伝えておりますけども、補助事業でデザインを統一するとか、それから景観条例の絡みで、他の団体との共同事業となりまして、現在まで事業年度が確定しておりません。できるだけ早い時期に、案内板の設置を行いたいと考えております。

それから、トイレについてのご質問もございましたが、ご承知のように消防団の詰所を改修をしております。その設置に合わせまして、一般客の利用を考慮して、今現在、柳に、もう出来上がっているかと思いますけども、柳のトイレにつきましては、一般客の利用者が使えるような、という工夫をしております。また、長崎県が担当します愛宕のトイレの改修についても、近日中に発注されるものというふうに聞いております。

またもう1点、アクアラングを使ってのスキューバダイビングのご提案がありました。これはもう、かねてからの懸案でございまして、議員さんからもずっとご提案をいただいている事項でございます。最近の状況では、ガンガゼの駆除とか、そういうところにもアクアラングを導入しまして、できるだけこの漁民の皆さんのアレルギーを無くすような努力をしてまいりました。先ほど議員ご指摘のように、いろいろの利点もございます。そういうことで、これから漁協をはじめ漁民の皆様のご理解を得るように努力をしてまいりたいと思っております。以前と比べたら、アレルギーといいますか、アワビの漁獲量も減ってるということもあるかもしれませんけど、そんなに抵抗はないのかな、という気もしておりますので、役員会等にも諮りまして積極的に推進をしてまいりたいと思います。

以上でございます。

議長(立石隆教) しばらく休憩します。

(傍聴に来ていた小学6年生、退席)

― 休 憩  午 前  11 時 28 分 ―

― 再 開  午 前  11 時 38 分 ―

議長(立石隆教) 再開します。           松屋議員

2番(松屋治郎) 皆さんから「詳しい説明を受けたな。」と言われておるんですが、詳しい説明をいただきましたけど、重複するんですけど、熟年大学や議会と語ろう会の折にですね、よくトイレやら看板、標識等の話題が出るんですね。ちゅうことは、熟年大学生やら一般の町民の方が、やっぱりこれらを整備してもらいたいという声であろうと思いますので、これを機会に整備していただけたらと思います。もう答弁は要りません。これにて終わります。

議長(立石隆教) これで松屋議員の一般質問を終わります。

続いて、1番・近藤育雄議員

1番(近藤育雄) 私は、野崎島における設備等の整備について、町長に質問をいたします。

 近年、修学旅行をはじめとし、観光やレジャーで野崎島を訪れる人たちが確実に増えていることはご存知のとおりでございます。そのような中で、野崎島の現場を1年間通して見た時、多くの問題があることを認識させられます。

 そこで、次の問題点について、どのような対処策を考えておられるのか、町長の見解をお伺いいたします。

 1点目は、学塾村内の広場における芝生の手入れについてであります。

現状では、年間に10回程度、本島から汎用自動草刈り機、通称モアと言ってますが、を搬入して対処しております。

 2点目は、異常に繁茂しているハマゴウの管理伐採についてであります。

10年ほど前は、野首の砂浜と学塾村に向かう道路の東側にのみ存在していたハマゴウが、いつの間にか道路を乗り越えて、学塾村の北側に広がる段々畑の約半分を覆い尽くし、現在も勢力を拡大しております。

 3点目は、野首の海岸から道路に吹き上げられた砂の除去についてでございます。

これは、毎年の季節風や台風の時に、野首の砂浜から強風によって吹き上げられた砂が道路に堆積いたします。また大雨の時には、上のほうからも土砂が道路に流れ込み、車の通行はもとより、人の通行をも阻害することがあります。

 4点目は、野崎港のトイレ不足の解消についてであります。

現状は、男女共用のトイレが1個しか設備されておりません。このことは、50名から100名程度の団体が港付近でカヌーやトレッキング、または飛び込みなどのプログラムをする時に、現場では大きな問題となっております。

 5点目は、野崎港における避難場所の確保についてであります。

現在、野崎港には、はまゆう待合所のほかに雨風をしのぐ場所がありません。団体客の引率時に天候が急変し、雨風をしのぐために右往左往することがままあると、現場の責任者から聞いております。先般の町長の行政報告にも、世界遺産登録に向けて、野崎島の環境整備を力を入れるということをお聞きしました。

 以上、5点の問題点解消について、町長の見解をお伺いいたします。

 なお、再質問は質問者席にて行います。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 近藤議員のご質問にお答えをいたします。

先ほども申し上げましたが、先日の長崎教会群のユネスコ推薦見送りについては、本当に残念でなりませんが、行政報告でも申し上げましたように、来年度を目指すという強い意志で臨むことになりましたので、余裕をいただいたものとして、野崎島世界遺産指定に向けた環境整備に努めてまいりますので、是非ご協力を、ご理解をいただきたいと、お願いを申し上げたいと思います。

具体的に挙げていただきましたので、項目ごとにお答えをいたしますが、先ほどの小辻議員の答弁と一部重複をいたしますけども、野崎島全体の整備計画が必要であるとの認識でございまして、具体的な解決策につきまして、議員のご提案も参考にしながら計画を進めてまいりたいと思います。詳細な質問があれば、担当に補足させますので、よろしくお願いをいたします。

まず、芝生の手入れについてのご質問がございました。現在、学塾村の管理はIT協会のほうに委託をしていまして、芝生の草刈りについても、その中に含めて管理をやってもらうようにしたいと考えておりますが、機材の納入のお話もありました。確かにモアが現場にあれば、ずいぶん便利だなというふうに思います。ただ、資材につきましては、先ほどから申し上げていますように、野崎全体の管理計画の中に取り込んで検討させていただきたいなと考えております。

2番目に、異常に繁茂しているハマゴウの管理伐採の件でございます。これは野崎島において、最もハマゴウが異常繁茂している場所は、ご案内のように旧野首の集落と認識しております。平成26年度に文化庁補助金を受けまして、薬剤散布による駆除を予定をしているそうでございます。

ただし、この事業はあくまでも段々畑に用いられた石垣の保護を目的としてするものであるために、すべてを駆除するというものではありませんので、またハマゴウについては、本来、在来種で希少な植物でございますので、本来自生していた、旧野首集落の東側の砂丘部には手をつけずに残す計画になっております。

次に、海岸から道路に吹き上げられた砂の除去についてですけども、近藤議員ご質問の場所は、野崎港より学塾村に至る、ちょうどあの真ん中辺の一番高い所付近かと思いますけども、風による砂の堆積もありますけども、雨水による、豪雨による砂の堆積が通行に支障をきたす主な原因になっております。

現在は、小規模の砂の除去作業については学塾村の方で対応していただいております。また、量が多い場合には、建設課から出かけて除去作業を行っているのが現状でございます。野崎におきましては、本島のように道路の不具合の情報が容易に入りませんので、今後は学塾村の管理人との連絡を密にして、交通安全確保に努めてまいりたいと思います。

以前は、建設課のほうでユンボを用意していたのですけど、現在はそのユンボもありませんので、機材の導入についてはですね、野崎島にはご承知のように県営のダムがございます。そのダムの管理にもユンボが必要だという声も聞いておりますので、他人のふんどしで悪いんですけども、農林のほうで、県のほうで対応できないかなということで、以前からお願いをしておりますので、こういう質問も出たということでやりたいと思いますが、もし無理であれば、この野崎島全体の整備計画の中で、考えていきたいと、そのように考えております。

また、4番目、5番目のトイレとか避難場所についてのご質問でございます。先ほどと繰り返しになりますけども、全体的な管理計画によりまして整備をする必要があると思いますし、また近いうちに県のほうでもコンベンションセンターとか、そういう設置の計画があがっているようでございます。これは来年度中に具体化するのではないかというふうに考えております。そういうことで、整備の必要性は充分感じておりますが、ただ、設置をするに当たりましては、当然、水洗便所を作らなくてはいけませんので、水をどうするかとか、それからその避難場所につきましても、ご承知のように国立公園区域内ということもありますんで、このことについてはですね、先ほど小辻議員のあれにもありましたけども、親家の神官さんが住んでた住宅等は是非残してみたいなと思っておりますんで、そこら辺との兼ね合いもありますんで、今後検討をさせていただきたいと思います。

また、はまゆうの新船建造、それからダイヤの改正とか寄港地の問題もございますんで、総合的な観点から各部局、それから国や県との協議も必要でございます。そういうことで時間が若干かかるかと思いますけども、その点はご了承をお願いしたいと思います。

今、小値賀町では総合整備計画を作成中でございます。この問題については、来年度とは言わず、世界遺産の関係もありますので、年内にも役場内の関係部署を横断するPTの立ち上げ等を検討させていただきたいなと、そういうふうに思っております。いずれにしても、野崎の整備については総合的な整備事業計画作成に最大限の努力をしてまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いをいたします。

議長(立石隆教) 近藤議員

1番(近藤育雄) 答弁いただきましたけども、予算策定前でもあることからですね、少し具体的な答えを欲しいところがあります。機材の搬入について総合的に考えていく、将来的には確かに必要だという認識はあるようですけども、今、1点目の芝生の管理について、現状だけはですね、普段目が届かないので、認識だけ共有しておいたほうがいいと思いますので現状を言いますが、モアは100キロぐらいありますよね。それで、以前は人海戦術で、モアを含めて10人ぐらいで作業をやってたんですが、最近はさっき言ったように、年間10回は本島から建設課ですかね、モアを借りて4人で一生懸命抱えてますね、はまゆうで運搬してますけども。そのモアでやるということですけども、管理人は原則、常駐してるわけですね。でも野崎は天候が割と急変するし、明日やろうかな、明後日やろうかな、と思っとってもその日にできないことがよくあります。だから、モアは新車で30万ぐらいだと、まあ安い高いありますけども、30万円ぐらいする品物です。それを野崎学塾村の上の倉庫がありますよね、そこに常備できるようなスペースもありますし、常備して雨風避ける。特に潮にあてたらメンテナンス大変ですから。そういったところで完全に保管しておいて、使いたい時に使うとすればですね、年に10回以上の作業が野崎では可能になりますし、これは汎用機として10年もしくは15年、20年ぐらい使える品物でもありますし、こういった費用対効果はそこら辺で年月がカバーしてくれるかなと、初年度は無理でしょうけども、思います。そういったことで是非、購入について前向きに考えていただければなと思いますけども、町長、いかがでしょうか。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 今、金額もお伺いしたわけですけども、確かにその都度、1ヶ月に1回程度、はまゆうで運ぶっちゅうのは大変なことでございます。金額が30万程度で買えるなら、担当課とも協議をして次年度に検討させていただきたいと思います。

議長(立石隆教) 近藤議員

1番(近藤育雄) 1点ずつ言ったほうがいいのかなと思いますので、ハマゴウの問題ですね。一応、貴重な在来種であるというのは私も認識しております。砂止めにも一役買っていると思いますんで。ただですね、鹿の餌場として私は認識しとったんですけども、前の野首の住居跡はきれいな、やっぱり芝生として残しておきたいなと。元々なかったもんですから、非常に目がいくんですけども、そういったハマゴウの伐採というか、これは以前、2、3年前ですかね、人海戦術で、冬場に、葉っぱがない時期に抜いて燃やしたという話聞いてますけども、そういった作業をしたという話を聞いております。ただ、完全駆除はできておりませんね。というのは、基根がやっぱり10センチ以上、20センチ近く、直径がですよ、それぐらいある基根が何箇所かあると。それを絶やさないことには駄目という話も聞いております。先ほど薬剤散布とか、ちょっと出ましたけども、薬剤についてる塩、枯葉剤みたいなもんでしょうけども、この塩については相当慎重に知見を求めて、安全性、それと後々への影響あたりを考えないと、ちょっと、野崎へ自然を求めて来るお客さんあたりにも知れたらびっくりするような話になりやしないかなと思います。一番いいのは、この冬場に人海戦術で枝葉、取り払って、基根については、これは私も知見を持ちませんけども、例えば基根をさらして、ノミか何かでうがってですね、そこにまあ、薬剤を投入するとか、何かダメージを与えるものを入れるとかですね、そういったことをやるのが、本当は一番いいと思います。薬剤散布はちょっと考えもんだと思いますんで、26年度にそういった一部補助が出そうな感じですけども、やり方については少し検討をしてもらいたいなと思います。

それとハマゴウについてもう1点、グラウンドのテントサイトの西側になりますかね、西側の一番下のほうにも、ハマゴウが若干侵入してきております。そこを今のうちに食い止めたら、非常に後々のためにいいかなと思いますので、私が先ほど言った学塾村の北側と含めて、そこの徹底駆除の、徹底駆除って言ったら言葉悪いですね、駆除の対象に、忘れないでしていただきたいなと思っております。

この件について、町長いかがでしょう。

議長(立石隆教) 教育次長

教育次長(田川幸信) お答えさせていただきます。

平成26年度実施予定の薬剤散布でのハマゴウの駆除についてのご質問ですけども、長崎県森林組合連合会のほうにご依頼をいたしましたら、要するにハマゴウというのは、ご指摘のとおり地下茎で増殖していく植物ですので、ハマゴウに効く薬剤と、一般植物、例えば芝とかにはあまり影響がないというような薬剤がないものか、というようなご相談かれこれをいたしておりまして、現在、ザイトロンアミン液剤というのが一番適当だろうということで、今、現時点で野崎に行きますと、ハマゴウの葉っぱは1枚もありません。茎だけしかありません。来年の春にその薬剤を、一部散布を試験的に行いまして、それで枯れるのを確認した上で、本格的な事業を実施する計画でおります。現時点では、議員がご指摘になられました自然学塾に下る左側の砂丘部分は、以前からあった地域ですので、あそこは完全に残しまして、ちょうど水道の排水地がございますけども、あの少し上から学塾まで、その道路から教会までの距離の約3分の1、面積にしますと2万平方メートルを薬剤散布をする計画でおります。2万平米といいますとちょっと見当がつきにくいかと思いますけど、うちの総合運動公園の多目的グラウンドが1万8,000平米ですので、それと比較してみますと、あれよりも少し広い面積になるということで、ご理解をいただけるかなと思います。なお、先ほど町長が答弁されましたように、これはあくまでも重要文化的景観の石垣を保全するためのものです。先ほども言いました水道の排水地よりも上の急斜面のほうにも、ハマゴウが上のほうに伸びておりますけども、あの急斜面のハマゴウを枯らしますと、ハマゴウ自体が土留めの役割も果たしているようですので、そこには散布をしない予定で、来年度、国庫補助及び県費補助をつけていただいてやる予定でおります。また、議員ご指摘の、学塾内のテントサイト、多分あのシャワー室の前付近を申されてるのかと思いますけども、そこも要望して実施できればと、できるだけ来場者がいない時期に行えればと考えております。

議長(立石隆教) しばらく休憩します。

― 休 憩  午 前  12 時 00 分 ―

― 再 開  午 後   1 時 30 分 ―

 

議長(立石隆教) それでは再開します。       近藤議員

1番(近藤育雄) まだ2点目の途中でありますので、もう少しお付き合いをお願いいたします。

ハマゴウの除去については、認識は私と大体一致していると思います。26年度の事業になるということで、それも国庫補助がつくということで、まあ経費がかからないに越したことはありません。ハマゴウについては25年度の末期、1月から3月の間にやるのも来年の3月までにきちんとするのも、同じような作業になると思いますので、是非26年度に予算立てして計画をしていただきたいなと思います。ただやり方ですけども、やはり薬剤散布というのは非常にちょっと気にかかる、ひっかかるところがあります。効果のほどについても、言われたとおり慎重にかからなければいけないと思いますんで、現場の管理人おられますので、そういった実施時期とか後々の検証についてもですね、きちんと作業手順を立ててやっていただきたいなと思っております。

 3点目に入ります。3点目はですね、やっぱりこれも、小型のユンボあたりを購入して、これも野崎に常備してほしいというのが私の意見ですけども。ユンボについては、やはり4番のトイレの汲み取りあたりの穴掘りにも絡んできます。ちょっと4番とダブりますけども、トイレの穴掘りの実態を聞いたところ、年に4回程度は、今現在、野崎港にあるトイレの石垣付近、あそこを広さ1坪近く、深さも60センチから80センチぐらい掘り下げて、そこへ糞尿を、要するに担ぎ入れている状況だと聞いております。穴掘りはご存知のとおり、あそこは石ころだらけですので、相当大変な作業でありますし、それも年4回のペースとなれば、やはり重機あたりでやったほうがより効率的なのかなと思います。それとユンボの使用については、学塾村内の側溝の泥上げあたりにも、小型のユンボであれば使用できるのかと思っております。私が一番問題にしていた、道の車の通行、人の通行を阻害するぐらいに積もるという堆積土の除去については、小型のユンボに廃土板あたりをつけて、それで押し飛ばすという方法ならば、相当な人力を使わずにできるのではないかと思いますけども、問題は値段でしょうかね。小型ユンボといえども、ユンボはやっぱり100万から200万ぐらいはすると思います。重量も350キロ、500キロあると思いますけども、単年度で考えたら、先ほどのモアと一緒で費用対効果は全く出ないと思います。ただこれも5年10年のスパンで考えてやったら、より便利に使える道具でありますので、購入についても是非、今回検討していただけたらなと思いますけども、町長いかがでしょうか。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 先ほども答弁したかと思いますけども、他の事業で買える可能性があるものを単独でやるつもりはありません。

議長(立石隆教) 近藤議員

1番(近藤育雄) あらゆる手段を考えながら、買う方向、常備する方向でお願いしたいなと思います。

 4番目の問題です。これは4番と5番、トイレと避難場所。これもちょっと連動する話だと思います。町長が言われたコンベンションセンター、まあビジターセンターみたいなものを作る計画もあるということですけども、例えば来年の夏にそれができるということは全く考えにくい、という状況からしてですね、理想的に言えば4番と5番を解決するには、そういったコンベンションセンターなりを作って、そこを避難場所兼用にするとか、トイレもある程度のもの、例えば前浜公園クラスみたいなものを合併浄化槽で作るということが理想的だと思います。ただですね、この野崎港に1個しかないトイレ、それも男女兼用、それをまた来年の夏、最繁時ですね、来年の5月から6、7、8月あたりまでそれで対処せよというのかどうかですね。これは非常に、頭を現場で悩まされている問題だと思います。私も現場の声を聞くまでは、そこまで大変だとは実は思ってなかったんですけども、これはお客様を迎える立場である以上はですね、あと何台か、何個かですか、設置しなければいけないと思っております。考えられるのは、最悪、工事現場あたりに使っている仮設トイレ、入り口が1メーターぐらいの縦型のトイレですね。あれで対応するのかなと、最悪ですよ。値段も一応調べてみましたけども、いろいろありまして、20万から30万ぐらいで1台はありそうです。それと最近、バイオトイレというのが非常に脚光を浴びております。富士山道には30基ぐらいバイオトイレというのが整備されているようでございますが、いかんせん値段が高いですね。バイオトイレは同じ工事現場にある仮設式トイレぐらいの大きさのやつでも1基120万から200万ぐらいします。だからこれはちょっと将来的な話になるかもしれませんけども、そういった購入、現場と話したら、最低3個は必要かなという声が聞こえてきております。この解決策についてどうお考えでしょうか、町長。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 先ほど答弁もしたかと思いますけども、施設にトイレだけちょっと安易なやつを作って後で壊すという、そういう無駄もしたくないなと思っております。急に観光客が増えたということだろうと思いますけども、一応今の総合計画を立てることにしておりますんで、それを優先的にやって、それを見た上でですね、もうどうしても間に合わないという判断をしたら、別の手立てを考える必要があるかなと思いますけども、できるだけ無駄のないようにやっていきたいなと思っております。なかなか急にですね、事業費がおそらく数百万かかるかと思いますけども、そういうのをして、おまけに先ほどからも答えておりますように、水の問題、簡易と言われましたけど、それではすぐ苦情が来るのが目に見えておりますんで、できれば合併浄化槽の装置をつけたいなと思っております。今、私が考えてるのはですね、どうせ今、世界遺産の候補になっております野首の天主堂も防災計画・防火計画を作らなきゃいけないということで、教育委員会のほうから話があります。これも今からやってどのくらい時間かかるかという話になってるんです。実はあそこに防火施設を作ると、おそらく消火栓をつけるということになると思いますけど、水をどこから持ってくるのかという話もせずに、とにかく防火施設を作るという話を持ってきましたんで、それはもう順番が逆だから急いで計画を立て直せという話を今、しております。そこで今考えてるのは、野崎の水を、ダムの水を使用して、野首の学塾も水については大変不安定で、夏かなり苦労しております。それに加えてまた、野崎のほうに施設ができるということであれば、今の浄化設備が中腹にありますけれども、これももう砂が入り込んで、大変苦労を現場ではしておると聞いておりますんで、ここも含めてですね、水問題をまず解決をしなければいけないんじゃないかなと思ってますんで、状況を見ながらやらしていただきますけども、それが可能であるか。実はこの話を聞いたのがですね、11月、先月ですかね、来年度に向けて世界遺産の準備をするという時に事務局のほうから突然出てきた話で、まだその計画もできてないという話でしたんで、だから最初からお答えしたように、これを総合的にやりながらしていくしか、ちょっと今のところ方法はないと。そしてもうひとつ、安易に建てると公園の問題が出てきますし、だから、時間的にですね、今聞いたばかりでございますんで、もう少し時間をいただければと思っております。ということで、来年度当初予算に間に合えばということですけど、ご承知のように1月には当初予算組み上げてしまいますんで、なかなか厳しいのかなと思います。そういうことで、夏が一番多いと思いますんで、仮設であったら時間はとらないと思いますので、検討した上で6月に間に合うなら6月にやりますし、それでも間に合わないということであれば、もし予備費があれば予備費を使わしてもらってやらしていただきたいと、そのように考えておりますんで。今ご要望のことをすべて実現するのは難しいのかなというのが私の感覚です。

議長(立石隆教) 近藤議員

1番(近藤育雄) このトイレの設置についてはですね、本当に切実な悩みであると思います。もし、今の答弁でもし前向きなあれがなかったら、私は次の夏をどう対処するかという質問を投げるつもりでおりました。簡易トイレ、仮設トイレですので、風雨、風にちょっと弱いですね。25メーターぐらいあればちょっと飛んでしまいそうなトイレですので、設置場所あたりも気をつけなければいけないと思います。私は石垣で囲まれた旧山本さんのお宅の庭とか、そういった雨風避けるようなところに設置したら使い勝手もいいのかなと、それも女子専用にしたりしてですね。今あるトイレは男子専用とか、そういった使い分けも、来るお客様の人数配分によって現地の責任者がきめぎめでできることだと思いますけども。とにかく来年の繁盛期には是非そういった何らかの解決策をとってもらいたいと思います。

最後の5点目の質問ですけども、避難場所。これは最初の設問にもあったんですけども、はまゆうの待合所は、せいぜい入って大人が10名ほどなんですね。だから、これも現場でないと分からないんでしょうけども、時々野崎島は天候が急変します。野崎島上陸時、もしくは野崎島から退村する時なんかには、学塾を出発して野崎港でしばらく時間があるわけですけど、その時に雨が来た時に、もちろん荷物付きですんで、責任者が大変苦労していると聞いております。考えられることは、荷物だけでも現在のはまゆうの待合所に入れて、体だけどこか避難する場所があったらいいなと思っております。そこで思いついたのが、昔使っていた、対岸のほうにありますけども、漁具倉庫ですかね。相当傷んでおりますけども、そこを調査して内部補強して、一時しのぎの場所に使えないかとか、町長の先ほどの答えにもありましたかね、岩坪神官さんの住居跡。どちらも町有地に、今はなってると思いますけども、そこの神官さん宅、割としっかりしておりますので、そこを内部改造、土間式でいいと思いますが、そういった改造をして避難場所に供するとか、そういったことでも考えてあげないといけないのかなと思います。町長、いかがお考えでしょうか。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 現場のほうの意向も聞きまして、対応させていただきます。

議長(立石隆教) 近藤議員

1番(近藤育雄) 是非、現場の悩みを直接聞いていただきたいと思います。緊急避難策としては、厚めのシートを、例えば、ITが管理してますんでITに用意して、石垣等を利用してその時だけに雨を凌ぐということも不可能ではないと思います。どんなにかして、そういったお客様の利便性、快適さを保ってやらないといけない問題が多々あるんで、今回挙げさせてもらいました。将来的には是非、コンベンションセンターなりの施設を作れるように、こういったものが一挙に解決できるような施設を考えて、計画的に作ってもらいたいと思います。

答弁は要りませんけども、これで私の一般質問を終わります。

議長(立石隆教) これで近藤議員の一般質問を終わります。

続いて、4番・末永一朗議員

4番(末永一朗) 私は、これからの6次産業化の取り組みについて質問をいたします。

今日、水産業を取り巻く環境は厳しく、漁業者の元気のなさが身にしみて分かります。これも皆、燃油高騰化あるいは魚価の低迷などが原因だと考えます。漁業者一人ひとりが、魚を獲るばかりでなく、何か他の方法で収入を得ることを考える時期に来ているのではないかと思います。それで今回、ある漁師が6次産業に取り組んでいることを知り、産業委員会で視察研修に行ってきました。漁師の人は夫婦2人で販売から加工までやっていました。取り組んでいる状況を聞いて、これらの漁家経営に大きく期待を持てる必要性があると痛感いたしました。我が町の漁業者も、安い魚を獲ることばかりでなく、いろいろと考え、6次産業という事業などを立ち上げて、少しでも収入を増やすことを考える必要があると思います。そこで、意欲のある漁業者が例えば魚の加工などする場合、許可申請あるいは補助費の申請など、諸々について、事務的に漁業者にとっては難しいところがあると聞いておりますが、行政として支援あるいは協力してやっていく考えはないのかについて伺います。

再質問は質問席で伺います。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 末永議員のこれからの6次産業化の取り組みということで、お答えをいたしたいと思います。

本町の6次産業化につきましては、振興計画、辺地に係る公共的施設の総合整備計画にも予定されておりますように、公設民営化による共同水産加工場を設置することにより6次産業化を推進し、漁業資源の中で、現在有効利用されていない魚種を活用した特産品や製品の開発等、資源の有効活用と、雇用の拡大に繋げていく必要があると考えております。

民間企業による加工製品の開発が理想でございますが、なかなかそういう方が出てまいりませんので、次善の策として公設民営化を考えざるを得ないという事情の中で、行政としてやれることはできるだけ施策を講じたいとの考えで、活力のあるまちづくりを目指しております。

ご承知のように農業については、担い手公社というツールが既にあったこともあり、農産品の加工については先行することができまして、新製品の開発も順調に進み、来年度からは共同加工場の設置を計画しています。

しかしながら、議員ご指摘のように、本当にもったいないことなんですけども、加工すればおいしく食べられる魚の商品化ができていませんでした。以前からの加工品でありますアワビやイカやアジの干物、それからウニやかまぼこ等の土産品の生産も、いろいろな事情から大変厳しい状況になっております。

現在、行政としては漁業用加工場の建設に向けまして、資材の確保方法や冷蔵庫等の機材の調達、財源の確保方法等の検討・研究をしておりますので、ご質問のような意欲のある方がおられれば、是非ご相談をいただきたいと、かように考えておるところでございます。

  議員ご質問の、個人や法人を対象とした補助事業につきましては、「新生水産県ながさき総合支援事業」の中の、「収益体質強化支援」という補助メニューがございます。しかしこれは補助要件がございまして、収益向上と併せ、雇用創出など地域貢献に取り組む「ながさき認定漁業者」を支援するものとなっております。

本町では、シイラヅケ漁などが該当いたしますが、個人の漁家が加工する施設につきましては、なかなか難しいものがございます。協業化とか共同組合化とかをしていただくとずいぶん方法があるわけでございますけども、行政としましても、この事業に取り組む漁業者がございましたら、協力できるところは協力したいと、そのように考えております。事務的にお手伝いできることはもちろん、漁協とも相談しながら、新しく起業される方の応援をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

議長(立石隆教) 末永議員

4番(末永一朗) 町長の前向きな答弁、感謝いたします。

この視察に行った漁業者夫婦はですね、6次産業に着手したのはやはり、燃油高騰化あるいは漁価の低迷など、また国の6次産業支援策が重なったために開始したとのことです。自分の獲った魚を活魚で販売したり、あるいは先ほど町長の答弁にもあったように、市場で売れない安い魚、例えばズンコとかシイラの小さいやつなどを自分で加工して直売している。漁をしながらできることだから収入も増えるし、もっと仲間も増やしたいという考えを持っておりました。我が町の漁師もですね、やる気があればできることと思います。それなりの魚介類の材料は確保されるものと思っております。漁を休まずにできることですから、取り組んでもらいたいと思っております。しかし、さっき町長の答弁のあったようにですね、自分のほうからやってみようっちゅうような人はなかなか出てこないのではないかと思いますので、そこら辺を何とかアドバイスをするためには、漁業者との一番近い距離にある産業振興課あたりがですね、協議会あるいは漁師との集まりの中で、こういうこともあるよというような説明・指導はできないものか伺います。

議長(立石隆教) 町長

町長(西 浩三) 先月ですか、東京に行って視察をされたということを聞いておりますんで、その時の資料等をいただけましたら担当課のほうに検討をさせまして、また、町内にも数々の協議会がございます。そういうところで説明もさせたいと思いますし、また皆さんのご意見も、今までもお伺いをしてたと思いますけども、なかなか、議員もおっしゃるように、自分で、一人でやれるのか、皆と一緒にやったらいろいろ弊害が出てくるものとか、いろいろ事情がございます。そういうことでなかなか、我々も、蒲鉾にしても協業組合を作れないものかということで検討したこともございます。先ほどちょっと言いました加工場についてもですね、とりあえず皆さんが困ってる部分を共同加工場で設備をして、起業を、仕事を起こす起業をやっていただいて、また家族の方々が、皆さんが獲ってきた魚を加工して付加価値を付けて販売できると、そういう方向に是非持っていきたいと考えております。そういうことで、ご提案のことにつきましては担当課のほうと協議をさせていただきます。

議長(立石隆教) 末永議員

4番(末永一朗) いろいろ取り組みも検討してくださるっちゅうことで、感謝しております。いろいろ説明、答弁聞きましたが、漁業者も自分のことですから、いかにして出費を減らして収入を増やすかっちゅうことを考え、新しい事業など取り組みが必要だと考えます。6次産業あるいは魚の直送など、漁業者一人ひとりが自分のこととして考え、行動すべきだと思います。いろいろと難しい面もあると思いますが、是非、漁業者のためにご支援を賜りますよう要望いたしまして、質問を終わります。答弁は別に要りません。

議長(立石隆教) これで一般質問を終わります。

以上で、本日の日程はすべて終了しました。

本日は、これにて散会します。

明日12月11日は、休会とします。12月12日は、定刻の午前10時から開議します。

どうも本日はご苦労様でした。

 

 

 

― 午 後  1 時 55 分 散 会 ―